*D0010_M ;//システムアイコン消去&メッセージウィンドウ消去 [sysbt_meswin clear] ;//BGMフェードアウト [fadeoutbgm time=500] ;^ ;//★_山奥の学園屋上 夜(灯り無し) bg28c.bmp [bg storage="bg28c"][trans_c cross time=500] ;//♪_BGM15 フェードイン [bgm storage="bgm15"] ;//システムアイコン表示&メッセージウィンドウ表示 [sysbt_meswin] *7970| [fc] 屋上に続く扉を開ける。[r] まだ停電が続いてるんだろう。人工的な明かりは、ほとんど無く、[r] その代わり、空には数え切れないほどの星が輝いていた。[pcms] *7971| [fc] 時折山から吹き下ろす風が冷たくて、夏の夜の生ぬるさを[r] 吹き飛ばしてくれ、気持ちが良かった。[pcms] *7972| [fc] 俺たちは屋上の柵近くまで寄って、目の前の風景を眺めた。[r] 俺たちが見ている方向――俺たちの生まれ育った街がある方向だ。[pcms] *7973| [fc] まだまだ距離がある。どのくらいあるのかは、定かでは[r] ないけれど……。街の明かりが見えないという点を除けば、[r] 何事も起きていないかのようにさえ、見えた。[pcms] *7974| [fc] 夕べのようなオレンジ色と黒に色分けされた空ではなかった。[r] 濃い群青色の夜空と、黒い色に沈んだ土地が見えるだけだ。[pcms] *7975| [fc] 自分が見ているのは街ではなくて、見渡す範囲がすべて、[r] 電気の届かないとんでもない山の中であるかのような、[r] そんな錯覚すら覚えた。[pcms] *7976| [fc] でも、実際にはあの方向で、俺たちの街で、何か想像を超えた[r] 大変な事態になっているんだろう。[pcms] *7977| [fc] 断片的な情報を得てはいたけれど、耳からの情報だけで、[r] テレビのような画像の情報ではなかった。[r] だから、余計にその大変な事態というのが、想像出来ずにいた。[pcms] *7978| [fc] でも、テレビなどを通じて、映像で街の様子がわかったとしても、[r] もしかしたら映画を見ているような感覚で、にわかには[r] 信じる事が出来なかったかもしれない。[pcms] *7979| [fc] 見知った場所とか知り合いなんかが、映し出されていれば、[r] 別かも知れないけれど……。[pcms] *7980| [fc] でも、そんな映像は見たくないという気持ちもどこかで働く。[r] 絵空事であって欲しいと、きっと願っただろうと思う。[pcms] *7981| [fc] [ns]大介[nse] 「……」[pcms] *7982| [fc] 真坂さんは無言のまま、柵に寄りかかり、乗り出すようにして[r] 俺と同じ方向を眺めていた。[r] 家に残してきたお母さんの事が気に掛かるのだろうか……。[pcms] *7983| [fc] 長い黒髪が山からの風になぶられて、泳いでいる。[r] 空中を踊るように、ゆらりゆらり、ふわり……と。[pcms] ;//システムアイコン消去&メッセージウィンドウ消去 [sysbt_meswin clear] ;//★_イベント絵 屋上の真坂 ma_N001 ;//井上 縦長の画なので要スクロール ;//白フェード [white_toplayer][trans_c cross time=500][hide_chara_int_w] [evcg storage="ma_N001b" x=0 y=-768][trans_c cross time=500] [move layer=0 path="(0,0,255)" time=3000 cond=sf.efect][wm cond=sf.efect] [if exp="sf.efect == 0"] [wait_c time=500] [evcg storage="ma_N001b" x=0 y=0][trans_c cross time=500] [endif] ;//システムアイコン表示&メッセージウィンドウ表示 [sysbt_meswin] *7984| [fc] 真坂さんの姿がふいに俺の脳内で変わっていた。[r] 俺たちの学園の屋上で、一度だけ見かけた光景に。[pcms] ;//嶺岸・ここA0010に移植 ;//確か昼休みだったろうか……やはり風のある日で、埃っぽい ;//校庭よりも屋上の方がいいだろうと、外の空気を吸いに ;//向かったときだったと思う。 *7985| [fc] 柵に寄りかかり遠くを眺めていた真坂さん。[r] 長くて綺麗な黒髪が、風にもてあそばれていたっけ……。[pcms] *7986| [fc] 俺はその姿に見とれたんだ……。今、みたいに……。[pcms] ;//嶺岸・修正の流れ上、カットしておきます ;//少し前屈みになった真坂さんのスカートが揺れて、 ;//肉感的なラインのおしりと脚が魅惑的だった。 *7987| [fc] どこか沈んだ顔をしていたけれど、それでも目鼻立ちが[r] 整った真坂さんは、その陰も含めて十分に美少女なんだと思えた。[pcms] *7988| [fc] 今は風を受けて、時々気持ちよさそうな表情を浮かべている。[r] どこか穏やかなその顔は、あの時よりも人間らしさを[r] 垣間見せながら、凛とした美しさを感じさせていた。[pcms] *7989| [fc] こんな時だってえのに、俺は何を考えているんだか……。[r] でも、少しは心に余裕が出てきたんだと思いたかった。[pcms] *7990| [fc] 『おつきあい始めたのぉ〜?』[r] 冴子さんの笑いながら言った言葉が思い出された。[pcms] *7991| [fc] おつきあい……か。俺は正直これまで異性に対して、好きだとか[r] 惚れてるとか、そんな恋愛的な感情をあまり持った事が無かった。[pcms] *7992| [fc] 周りの男友達が、あの子がカワイイとかツキアイタイとか、[r] そんな事をしょっちゅう言っているのは知っている。[r] たぶん、そういうほうがふつうなんだと思う。俺たちの年代だと。[pcms] *7993| [fc] 女の子に興味が無かったわけじゃない。[r] でも、それよりも機械いじりつうか、自分の趣味に没頭していて[r] 女の子にまで、気持ちが向かなかったのは事実だ。[pcms] *7994| [fc] ただ漠然と、いつかは俺にも好きな人が出来て、付き合って、[r] それで翔くんと冴子さんのように、仲の良い恋人同士になれたら[r] いいなあ……なんてことを、時々思っていたぐらいだった。[pcms] *7995| [fc] それに、なんとなくまだ男としての俺自身に自信が持てなかった[r] ってのも、あるんだろうと思う。まだ親の庇護下にあるし、[r] エンジニアになる夢だって、尻尾さえつかんでいない。[pcms] *7996| [fc] でも、さっきの冴子さんの言葉のように、今の俺にだって、[r] 思い合う相手がいても、おかしくないのかもしれない……。[r] 未熟な俺と、お互い高めあっていけるような相手がいれば……。[pcms] *7997| [fc] 欲を言うなら、冴子さんや真坂さんみたいな美人で、[r] マコトみたいにお互い共通の趣味があって、[r] 梢みたいに気心が知れる相手がいいな……。[pcms] *7998| [fc] ………………。[pcms] *7999| [fc] なんだ……やっぱり、俺はまだ女の子とつきあうなんて無理だ。[r] 誰かひとりが浮かぶならまだしも、仲のいい仲間が次々浮かんで[r] くるだなんて……。[pcms] ;//システムアイコン消去&メッセージウィンドウ消去 [sysbt_meswin clear] ;//★_山奥の学園屋上 夜(灯り無し) bg28c.bmp [bg storage="bg28c"][trans_c cross time=500] ;//システムアイコン表示&メッセージウィンドウ表示 [sysbt_meswin] *8000| [fc] [ns]大介[nse] 「……ははっ」[pcms] *8001| [fc] 本当にまだまだ男として未熟だな、俺は。[r] 精進して翔くんのようになりたい。仕事も恋人も両立できて、[r] どちらにも愛情を注げるような男に俺もなるんだ。[pcms] *8002| [fc] まずは、差し迫っている問題から片づけていこう。[r] 何が何でも仲間を守って、無事に街に、家にたどり着かなくては。[r] この混乱を乗り切れれば、少しは自信が持てそうな気がする。[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cA01"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8003| [fc] [vo_aya s="aya_0665"] [ns]絢[nse] 「どうかしたんですか?」[pcms] *8004| [fc] [ns]大介[nse] 「え? 何が?」[pcms] *8005| [fc] [vo_aya s="aya_0666"] [ns]絢[nse] 「今、小さく笑ってたから……」[pcms] *8006| [fc] [ns]大介[nse] 「えっ!! あ、ああ……その……」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cB01"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8007| [fc] [vo_aya s="aya_0667"] [ns]絢[nse] 「……仙道君、異性に……興味はある?」[pcms] *8008| [fc] [ns]大介[nse] 「へっ?!! えっ? ええっ?」[pcms] *8009| [fc] まるで俺が考えていた事を見透かされたかのような問いだった。[r] 俺は、軽くパニックを起こして、しどろもどろになっていた。[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC01"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8010| [fc] [vo_aya s="aya_0668"] [ns]絢[nse] 「急な……質問だったわよね……ごめんなさい」[pcms] *8011| [fc] [ns]大介[nse] 「あ、あ、いや。その……実は、ちょうどその……なんというか、[r]  恋愛とか、付き合うとか、そんな事を考えていたんだ……。[r]  俺も誰かと将来付き合うことがあるのかなーなんてさ」[pcms] *8012| [fc] [ns]大介[nse] 「だから、その、真坂さんの質問がちょっとタイミングが[r]  良すぎてさ……焦った」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC02"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8013| [fc] [vo_aya s="aya_0669"] [ns]絢[nse] 「……ふふっ。本当に仙道君って、正直ね……」[pcms] *8014| [fc] [ns]大介[nse] 「いや、その……えっと。でも、何で急にそんな事を?」[pcms] *8015| [fc] 真坂さんは、なびく髪を手で梳きながら、俺の目をしっかりと[r] 見て問いに答えてきた。[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cA01"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8016| [fc] [vo_aya s="aya_0670"] [ns]絢[nse] 「私もね、さっき冴子さんに言われた事を、考えていたの。[r]  お付き合いとか、恋人とか……そんなことを。[r]  いつか私にも、そんな相手が出来るのかなあ……って」[pcms] *8017| [fc] [ns]大介[nse] 「……」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC03"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8018| [fc] [vo_aya s="aya_0671"] [ns]絢[nse] 「私の母はね、父に捨てられたの……父と別れたあと、[r]  恋人が出来たんだけど、結局その人にも捨てられたの……」[pcms] *8019| [fc] [vo_aya s="aya_0672"] [ns]絢[nse] 「私は、嘆き悲しんで精神まで病んでしまう母の姿を[r]  見ながら育ったの……。だからなのかな……恋愛ってことに[r]  どうしても関心を持てなかったの……」[pcms] *8020| [fc] [vo_aya s="aya_0673"] [ns]絢[nse] 「私も母と同じように捨てられたらどうしよう……って思いが[r]  あって、でも、私には優しかった父のような男性と[r]  巡り会えたら……なんてこともどこかで思ってた」[pcms] *8021| [fc] [vo_aya s="aya_0674"] [ns]絢[nse] 「でも……毎日の生活と母の面倒を見る事に追われて、[r]  そんな事を考える余裕が、私には全然無かった……。[r]  それだけじゃなく、私ってもともと引っ込み思案だし……」[pcms] *8022| [fc] [vo_aya s="aya_0675"] [ns]絢[nse] 「いろいろな事が重なって、恋愛とか誰かと交際したいとか、[r]  そういう事を……今まで意識した事がなかった気がするの……」[pcms] *8023| [fc] 真坂さんは、とつとつと言葉を紡いだ。[r] 自分の中の感情の部分を確かめるかのように、言葉をひとつひとつ[r] 選びながら話をしているような感じだった。[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC02"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8024| [fc] [vo_aya s="aya_0676"] [ns]絢[nse] 「でも、冴子さんに言われて……私はそう言われるような対象に[r]  なったんだって思った。好きな人やお付き合いする人が[r]  いてもおかしくない年齢なんだって」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cB01"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8025| [fc] [vo_aya s="aya_0677"] [ns]絢[nse] 「今まで、そんな事なかったから余計に……」[pcms] *8026| [fc] [ns]大介[nse] 「でも、真坂さんに好意を示してきたヤツは、今までにも[r]  いただろ? ほら、夏休み前に、プールに誘ったアイツとかさ」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC02"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8027| [fc] [vo_aya s="aya_0678"] [ns]絢[nse] 「! そうね……仙道君、覚えててくれたんだ……ふふっ。[r]  確かにそういう事、無かった訳じゃないの……。[r]  でも、性格的に……私、排他的なところがあったから……」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC03"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8028| [fc] [vo_aya s="aya_0679"] [ns]絢[nse] 「だから……どこかで嬉しいと思っていたとは思うんだけど、[r]  でも、それよりも関わる事が嫌だって気持ちの方が強かった。[r]  恋愛とかじゃなくて、ただただひとと関わるのを避けてきたの」[pcms] *8029| [fc] [ns]大介[nse] 「どうして?」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cA04"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8030| [fc] [vo_aya s="aya_0680"] [ns]絢[nse] 「……引っ込み思案で人見知り……性格的なものもあるんだと[r]  思う。でも……それ以上に、母の面倒を見る事や、家事に[r]  追われてて……」[pcms] *8031| [fc] [vo_aya s="aya_0681"] [ns]絢[nse] 「ひととの関わりに時間を割く余裕が……物理的にも、[r]  精神的にも……無かったんだと思うの」[pcms] *8032| [fc] [vo_aya s="aya_0682"] [ns]絢[nse] 「私のそんな理由を唯一知っていてくれたのは、冴子さんだけ[r]  だった……。その冴子さんが、あんな事を言ったから、[r]  どうなんだろう……って、考え込んでたの……」[pcms] *8033| [fc] [ns]大介[nse] 「……そっか……」[pcms] *8034| [fc] 俺にとっての冴子さんの言葉は、確かに考えるきっかけには[r] なったけれど、真坂さんが感じているほど、重要な言葉では[r] 無かった。[pcms] *8035| [fc] 単に、からかい半分の言葉だと受け取っていた。[r] でも、真坂さんが言う自分の唯一の理解者である冴子さんの[r] 言葉は、彼女の心にずいぶんと響いたみたいだった。[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cB01"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8036| [fc] [vo_aya s="aya_0683"] [ns]絢[nse] 「……ねえ、仙道君。私にもいつか男の人とお付き合いする[r]  なんてことが、あるのかしら……。こんな私でも……。」[pcms] *8037| [fc] [vo_aya s="aya_0684"] [ns]絢[nse] 「……仙道君も、いつかは誰かとお付き合いしたりするんだよね。[r]  きっと……でも、私に出来るのかしら……」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cB03"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8038| [fc] [vo_aya s="aya_0685"] [ns]絢[nse] 「ふふっ……ごめんなさい。変な話しちゃったわよね。[r]  こんなときだって言うのに……」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC03"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8039| [fc] 真坂さんは自嘲気味に笑って、また遠くを見つめていた。[r] 少し沈んだ表情で……。[r] 俺はそんな顔の真坂さんを見たくなかった……。[pcms] *8040| [fc] [ns]大介[nse] 「大丈夫だよっ! 真坂さんが本当に望めば、きっと好きな人も[r]  お付き合いも恋愛も、きっと、出来るよ!!」[pcms] [ChrSetEx layer=5 chbase="ma_cC02"][ChrSetXY layer=5 x=162 y=0][trans_c cross time=150] *8041| [fc] [vo_aya s="aya_0686"] [ns]絢[nse] 「……ありがとう」[pcms] *8042| [fc] [ns]大介[nse] 「……もっとも、俺に恋人って呼べるひとが出来るかどうかは、[r]  大いに未知数だけどな」[pcms] *8043| [fc] [vo_aya s="aya_0687"] [ns]絢[nse] 「……ふふっ。仙道君なら大丈夫。頼りになるもの……」[pcms] *8044| [fc] [ns]大介[nse] 「買いかぶりすぎだよ。でも、ありがとう、真坂さん」[pcms] *8045| [fc] [vo_aya s="aya_0688"] [ns]絢[nse] 「……うふふっ」[pcms] *8046| [fc] [ns]大介[nse] 「……はははっ」[pcms] *8047| [fc] 俺たちは屋上で、星空の下、涼しい風に吹かれながら、[r] 静かに笑いあった。[pcms] [chara_int][trans_c cross time=150] ;//井上 リニアにつなげるのでここは弄らない ;//〆:フラグ:m_mind 成立 [eval exp="sf.g_m_mind = 1"] ;//〆:D0020へ [jump storage="D0020.ks" target=*D0020_TOP]