kansen-5/Kansen5_patch/0230.ks
2023-12-30 20:05:58 -06:00

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;//_______________________________________
;//シーン名 :『大神島』
;//file名 0230
;//登場人物 :主人公、宗一郎、茜梨、彩月
;//服装 :制服
;//日付 :8月14日
;//時間
;//背景 :大神港(昼)→島の周回道A(昼)→浜浦ビーチ(昼)→島の周回道A(昼)→
;// 島の町並みA(昼)→島の周回道A(昼)→大神リゾートホテル(昼)
;//予想容量 全体を通して10K前後
;//備考 :主人公一人称視点
;//_______________________________________
*0230_TOP
;{SceneSet 大神島}
;//bgm05.ogg継続中
;//bg02a 大神港・朝昼
[bg storage="BG02a"][trans_c cross time=500]
*3145|
[fc]
大神島に到着した僕たちは、[r]
再びバスに乗り込んでフェリーから出発していた。[pcms]
*3146|
[fc]
窓からのぞく外の景色をぼんやりと眺めながら、[r]
旅行前に調べた島の情報を、頭の中で整理する。[pcms]
*3147|
[fc]
大神島。[pcms]
*3148|
[fc]
恵媛県今張市越智郡に属する、瀬渡内では第四位の面積の島だ。[pcms]
;//bg06a 島の周回道路(海沿いの道路)・朝昼
[bg storage="BG06a"][trans_c cross time=500]
*3149|
[fc]
地名からして、すでに越智とあるから、[r]
やっぱり越智さんの家柄は相当に由緒正しいのかも知れない。[pcms]
*3150|
[fc]
別名、『神ノ島』などとも呼ばれていて、[r]
恵媛側にある瀬渡内海の島では、中心的な場所だという。[pcms]
*3151|
[fc]
人口約7600人。[r]
海岸線長54km。[pcms]
*3152|
[fc]
それほど大きな島ではなく、[r]
車なら30分もあれば一周できるくらいの広さだ。[pcms]
*3153|
[fc]
隣接する[ruby text="おおみしま"][ch text="大美島"]と[ruby text="おおなしま"][ch text="大那島"]の間は[r]
潮の流れが速く、この辺りの海の難所として知られ、[r]
かつて大きな遭難事故があったらしい。[pcms]
*3154|
[fc]
島の中央には標高300m程の大神山がそびえ、[r]
その周囲にあるいくつかの入り江に町があった。[pcms]
*3155|
[fc]
山と海に囲まれている、日本の典型的な土地とも言えるが、[r]
そうでなければ観光名所にはなれなかっただろう。[pcms]
;//bg05a ビーチ(&ライブフェス会場外観)・朝昼
[bg storage="BG05a"][trans_c cross time=500]
*3156|
[fc]
リゾートホテルが建てられるからには、[r]
そうした自然の恩恵がないとやっていけない。[pcms]
*3157|
[fc]
町が作られている入り江と入り江の間には、[r]
傾斜の厳しい峠が存在していて、[r]
その最大標高差は50m程。[pcms]
*3158|
[fc]
海岸線は起伏の激しい荒れた地形になっていた。[pcms]
;//bg06a 島の周回道路(海沿いの道路)・朝昼
[bg storage="BG06a"][trans_c cross time=500]
*3159|
[fc]
とはいえ、アスファルトで舗装されている現在、[r]
車で移動する分にはなんの支障もない。[pcms]
*3160|
[fc]
徒歩や自転車なら、足腰が鍛えられていいかも知れないが、[r]
それはSatto☆さんやTaryanさんに任せておこう。[pcms]
;//★bg08a 大神神社・朝昼
[bg storage="BG08a"][trans_c cross time=500]
*3161|
[fc]
山には千数百年の歴史を持つ『大神山神社』があり、[r]
この島が『神ノ島』と呼ばれる所以にもなっている。[pcms]
*3162|
[fc]
これだけ海の恩恵に恵まれた土地でも、[r]
やはり神社は山に建てられることが多かった。[pcms]
*3163|
[fc]
一切の立ち入りを許されない神秘的な場所、[r]
そうした自然崇拝を母体として神社が建てられるのは、[r]
日本中で行われているパターンの一つだ。[pcms]
;//bg03a 島の街(A)・朝昼
;//[bg storage="BG03a"][trans_c cross time=500]
*3164|
[fc]
海で生計を立てている地元の人間が、船から仰ぎ見る[r]
美しい山の姿を魂の寄るべく場所として崇め、[r]
神の島と呼ぶことは多い。[pcms]
*3165|
[fc]
さすがに今時、立ち入り禁止にはなっていないだろうけれど、[r]
観光資源としてはうってつけなはずだ。[pcms]
*3166|
[fc]
この土地の『大神山神社』も、国の重要文化財に指定され、[r]
島の観光の目玉になっている。[pcms]
*3167|
[fc]
そして、主な産業は造船と海運。[r]
次いで、塩田とクルマエビの養殖などが盛んだった。[pcms]
*3168|
[fc]
あまり、漁業が盛んでは無いそうで、ここが『神ノ島』として、[r]
長く漁が禁忌とされてきた名残であるとされている。[pcms]
*3169|
[fc]
この手の古代的な信仰における山や島は[ruby text="ひもろぎ"][ch text="神籬"]と呼ばれ[r]
禁足地として霊的な清潔さが保たれるのが常だから、[r]
仕方ないだろう。[pcms]
;//bg06a 島の周回道路(海沿いの道路)・朝昼
[bg storage="BG06a"][trans_c cross time=500]
*3170|
[fc]
近年は、しおかぜ街道の開通にともなって、[r]
本州、四国と陸路で繋がった事もあり、[r]
観光業も盛んになりつつある。[pcms]
*3171|
[fc]
元々が崇められていた島だというのだから、[r]
人の手垢にまみれていない本物の自然が[r]
楽しめるのは結構なことだ。[pcms]
*3172|
[fc]
今となっては、学生の合宿に使われるくらいなので、[r]
その霊的な清浄さも怪しい限りではあるけれど。[pcms]
;//現在地MAP表示
[sysbt_meswin clear]
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[chara_int]
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;mm 逆移植 ウェイトいるんじゃね?
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;不要?[wait_c time=1000]
;//bg09a リゾートホテル外観・朝昼
[backlay_c]
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[trans_c cross time=0]
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[sysbt_meswin]
*3173|
[fc]
[ns]宗一郎[nse]
「うーん、やっと到着したか。[r]
 さすがに東京から瀬渡内までは時間が掛かるな」[pcms]
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*3174|
[fc]
[vo_stk s="satuki0091"]
[ns]彩月[nse]
「目的地までの行程も旅の一つでしょ?[r]
 身体が重いのは自分のせいよ」[pcms]
*3175|
[fc]
[ns]誠[nse]
「でも、この豪華さはちょっと驚きですよね」[pcms]
[chara_int][trans_c cross time=150]
*3176|
[fc]
バスから降りたみんなは、一様にホテルの方を見て[r]
驚きの声をあげていた。[pcms]
*3177|
[fc]
姉妹校との合宿で使われる民宿というレベルからは、[r]
ほど遠い存在感を放っている。[pcms]
*3178|
[fc]
写真で事前に確認はしていたものの、[r]
その立派さに改めて声を漏らしてしまった。[pcms]
*3179|
[fc]
どちらかというと、素朴な自然に溢れた景勝地である場所には、[r]
似つかわしくないホテルに見える。[pcms]
*3180|
[fc]
あまりにも立派すぎて、周囲の景色に全く馴染んでいないのが[r]
原因なんだろう。[pcms]
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*3181|
[fc]
[vo_stk s="satuki0092"]
[ns]彩月[nse]
「なんで鯛の看板があるの……?」[pcms]
*3182|
[fc]
南先輩が鯛の描かれたネオン看板を見て、[r]
不思議そうな顔をしている。[pcms]
*3183|
[fc]
これもこれで、また妙なギャップがある光景だった。[pcms]
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*3184|
[fc]
[vo_aka s="akari0082"]
[ns]茜梨[nse]
「鯛は恵媛県のお魚なんですよ」[pcms]
*3185|
[fc]
いや、そうなのかも知れないけれど、[r]
なんか違和感がある。[pcms]
*3186|
[fc]
ホテルの豪華さで押すにも、自然の豊かさで押すにも、[r]
合っていない看板なんじゃなかろうか。[pcms]
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*3187|
[fc]
[ns]宗一郎[nse]
「さっそくホテルに移動するみたいですな」[pcms]
*3188|
[fc]
引率の先生に連れられて、僕たちはバスから[r]
ホテルの中へと移動を始める。[pcms]
*3189|
[fc]
[ns]誠[nse]
「あっついから、その方が助かるよ」[pcms]
[chara_int][trans_c cross time=150]
*3190|
[fc]
それにしても、広い駐車場がかなり埋まっているように見えた。[pcms]
*3191|
[fc]
シーズン中だから当たり前なのかも知れないけれど、[r]
繁盛していることがうかがえる。[pcms]
*3192|
[fc]
ライブフェスやモンバスのイベント、島のお祭りがある時分には、[r]
この駐車場が全部埋まってしまうんだろう。[pcms]
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*3193|
[fc]
[vo_stk s="satuki0093"]
[ns]彩月[nse]
「練習が始まったら、この炎天下で取材しないといけないのよ」[pcms]
*3194|
[fc]
[ns]誠[nse]
「まぁ、そうなんですけど……」[pcms]
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*3195|
[fc]
[vo_aka s="akari0083"]
[ns]茜梨[nse]
「中澤先輩も、一緒に身体を動かしますか?」[pcms]
*3196|
[fc]
越智さんのお誘いを、丁重にお断りして[r]
空調の効いたホテルに入り込む。[pcms]
;//★bg10a ホテルモールフロア&エントランス・朝昼
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;//seG008.ogg
[se buf=0 storage="seG008"]
*3197|
[fc]
1Fから3F部分はコンビニや喫茶店を含めた、[r]
商業施設になっていた。[pcms]
*3198|
[fc]
スポーツ用品店や衣料品も扱っているみたいだから、[r]
島の中心的な施設の役割を果たすのかもしれない。[pcms]
*3199|
[fc]
よく見ると、レンタル大手のTUNAYAや、[r]
ウニクロの看板まであった。[pcms]
*3200|
[fc]
せっかく東京から遠く離れて旅行に来ているのに、[r]
見知ったチェーン店を見つけると、テンションが下がってしまう。[pcms]
*3201|
[fc]
地元の人は助かっているんだろうから、[r]
勝手なことばかり言えないけれど、[r]
何とならなかったんだろうか。[pcms]
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*3202|
[fc]
[vo_stk s="satuki0094"]
[ns]彩月[nse]
「他の観光客が結構いるんだね」[pcms]
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*3203|
[fc]
[ns]宗一郎[nse]
「これだけのホテルですからな、[r]
 落ち着いた旅をするにはオフシーズンに来るしかないでしょう」[pcms]
[chara_int][trans_c cross time=150]
*3204|
[fc]
ドーム状になっているエントランスは、[r]
和風リゾートによくある、和洋折衷の景観を織りなしていた。[pcms]
*3205|
[fc]
基本的に欧風なんだけど、そこかしこに[r]
日本的な特徴が垣間見えている感じだ。[pcms]
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*3206|
[fc]
[vo_aka s="akari0084"]
[ns]茜梨[nse]
「こんなに素敵なホテルだったんですね」[pcms]
*3207|
[fc]
[ns]誠[nse]
「もう、外観からして高級だったからね」[pcms]
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*3208|
[fc]
[vo_stk s="satuki0095"]
[ns]彩月[nse]
「庶民が家族連れで来るホテルじゃないのかも」[pcms]
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*3209|
[fc]
[ns]宗一郎[nse]
「あまり欧風すぎると落ち着きが無くなりますからな、[r]
 利用客の多くは日本人でしょうから、[r]
 こういう内装になるんでしょう」[pcms]
[chara_int][trans_c cross time=150]
*3210|
[fc]
僕たちは移動しながらキョロキョロと辺りを見回している。[pcms]
*3211|
[fc]
始めて東京に来るお上りさんと、[r]
なんにも変わらない姿だ。[pcms]
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;//seフェード停止
[stopse buf=0]
;<SoundFade 2,OUT,3000>
*3212|
[fc]
引率の先生がロビーでチェックインを済ませると、[r]
奥からメガネをかけた品のいいスーツ姿の男性が、[r]
僕らを出迎えてくれた。[pcms]
*3213|
[fc]
越智さんがその男性の側に寄っていく。[pcms]
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*3214|
[fc]
[vo_aka s="akari0085"]
[ns]茜梨[nse]
「[ruby text="かづお"][ch text="稼津央"]お兄様」[pcms]
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*3215|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「やあ、大きくなったね茜梨」[pcms]
*3216|
[fc]
[vo_aka s="akari0086"]
[ns]茜梨[nse]
「ご無沙汰しておりました」[pcms]
[chara_int][trans_c cross time=150]
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*3217|
[fc]
どうやら、あの人が観光事業を仕切っている[r]
越智さんの叔父さんらしい。[pcms]
*3218|
[fc]
いかにも出来る人というオーラを放っているが、[r]
その笑顔は営業用なんだろう。[pcms]
*3219|
[fc]
接客業特有の笑顔の奥に、[r]
もっと、切れた人物という凄味が感じられた。[pcms]
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*3220|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「みなさま、当ホテルをご利用頂き誠に有り難うございます。[r]
 まずは旅のお疲れを癒すために、お部屋へと[r]
 案内させて頂きますので」[pcms]
*3221|
[fc]
[vo_mob s="kojima0001"]
[ns]小嶋[nse]
「この度は、こちらの無理を聞いて頂いて、[r]
 本当に助かりました。なんとお礼を言えばいいか……」[pcms]
*3222|
[fc]
チアー部の顧問である小嶋先生が、[r]
緊張した面持ちで挨拶をしていた。[pcms]
*3223|
[fc]
ホテルのオーナーが直々に現れたのは、[r]
やっぱり越智さんがいるからなんだろう。[pcms]
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*3224|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「とんでもございません。[r]
 こちらこそ、助かっておりますので」[pcms]
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*3225|
[fc]
[vo_aka s="akari0087"]
[ns]茜梨[nse]
「今回は、稼津央お兄様に無理をして頂いてすみませんでした。[r]
 ありがとうございます」[pcms]
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*3226|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「かわいい姪がお世話になっている方々のためなら、[r]
 おやすい御用だよ」[pcms]
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*3227|
[fc]
にこやかで、すごく感じのいい人だ。[pcms]
*3228|
[fc]
スーツの着こなしも堂に入っていて、[r]
ちょっと、完璧すぎるくらいにそつがない。[pcms]
*3229|
[fc]
こういう出来る人を見てしまうと、[r]
思わず警戒してしまうのは僕だけだろうか。[pcms]
*3230|
[fc]
すると、稼津央というホテルのオーナーは、[r]
越智さんの肩に軽く手を乗せる。[pcms]
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*3231|
[fc]
[vo_aka s="akari0088"]
[ns]茜梨[nse]
「あっ……」[pcms]
[ChrSetEx layer=4 chbase="ak1_se2"][ChrSetParts layer=4 chface="F1_ak09"][ChrSetXY layer=4 x=600 y=0][trans_c cross time=150]
*3232|
[fc]
越智さんはちょっとビックリしたように、[r]
戸惑っていた。[pcms]
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*3233|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「それに、あの厳しい美沙緒姉さんに頼まれたら、[r]
 断れるものじゃないだろう?」[pcms]
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*3234|
[fc]
[vo_aka s="akari0089"]
[ns]茜梨[nse]
「そ、そんな……」[pcms]
*3235|
[fc]
イタズラっぽく微笑むオーナーに、[r]
越智さんが返答できずに困っている。[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="kz1_sui"][ChrSetParts layer=5 chface="F1_kz02"][ChrSetXY layer=5 x=350 y=0]
[ChrSetEx layer=4 chbase="ak1_se2"][ChrSetParts layer=4 chface="F1_ak01"][ChrSetXY layer=4 x=600 y=0][trans_c cross time=150]
*3236|
[fc]
美沙緒お姉さんという人に、遠慮しているんだろうか。[pcms]
*3237|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「こちらこそ助かっているというのは本当の話でして、[r]
 内装工事の遅れから、お客様の予約を[r]
 入れられない状態だったのですよ」[pcms]
*3238|
[fc]
[vo_mob s="kojima0002"]
[ns]小嶋[nse]
「まぁ、そうだったんですか」[pcms]
*3239|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「それが、一昨日やっと完了したほどでして、[r]
 皆さんに来て頂いたおかげで、部屋を遊ばせずに済みました」[pcms]
*3240|
[fc]
このピーク時に客を入れられないのは、[r]
商売として痛手だろう。[pcms]
*3241|
[fc]
内装工事が終わらなくても、[r]
程ほどにくつろげるようになっていれば、[r]
格安な分、こっちも文句は言えない。[pcms]
*3242|
[fc]
普通のお客だとそうもいかないだろうけれど、[r]
向こうとしても助かったんだろうな。[pcms]
*3243|
[fc]
[vo_mob s="kojima0003"]
[ns]小嶋[nse]
「こちらも困っておりましたので、[r]
 本当に助かりました」[pcms]
*3244|
[fc]
チアー部の顧問は、完璧にのぼせた顔をしていた。[pcms]
*3245|
[fc]
大人の男の魅力を、遺憾なく発揮しているオーナーだから、[r]
こうなるのも当然なんだろう。[pcms]
*3246|
[fc]
見れば、チアー部のコーチもうっとり顔で、[r]
似たような状態になっている。[pcms]
*3247|
[fc]
面白いのはサッカー部の監督で、[r]
ふて腐れたみたいに小嶋先生を見ていた。[pcms]
*3248|
[fc]
付き合っているのか、狙っているだけなのか、[r]
どちらにせよ面白くないんだろう。[pcms]
*3249|
[fc]
合宿先で妙な修羅場とか止めて欲しいけど、[r]
オーナーは相手にしないだろうからな。[pcms]
*3250|
[fc]
お互いに一方通行で、勘違いの起こりようも無さそうだ。[pcms]
*3251|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「少しお待ちを」[pcms]
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*3252|
[fc]
オーナーはカウンターの方を向いて指を鳴らし、[r]
スタッフを呼んでいた。[pcms]
*3253|
[fc]
そんな姿が様になっているところが小憎らしいが、[r]
女性陣には受けがいいみたいだ。[pcms]
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*3254|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「長旅でお疲れでしょうから、ご挨拶はこの辺で。[r]
 係の者にお部屋まで案内させます」[pcms]
*3255|
[fc]
和装のスタッフがさっと現れる。[pcms]
*3256|
[fc]
教育は行き届いているみたいで、[r]
学生相手だからといって手を抜く様子は見えなかった。[pcms]
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[fc]
[ns]荒井[nse]
「先生、お昼御飯はどうするんですか?」[pcms]
;//m:普段着とか制服がないから荒井君ここでは声のみ
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[fc]
[vo_mob s="kojima0004"]
[ns]小嶋[nse]
「お昼はまだよ、もう少し待ってね」[pcms]
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小嶋先生の話だと、島のスポーツセンターに向かう途中で、[r]
近くにある道の駅のフードコートに寄る予定らしかった。[pcms]
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[fc]
名物のエビ塩ラーメンとかがあるみたいだけど、[r]
もう少しフェリーの時間に余裕があれば、[r]
尾道で牡蠣なんかを食べたかったな。[pcms]
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*3261|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「それでしたら、差し出がましいようですが、[r]
 お昼を宴会場に用意させますので、[r]
 20分ほどお時間をいただければ」[pcms]
*3262|
[fc]
[vo_mob s="kojima0005"]
[ns]小嶋[nse]
「え、ですが、お昼は……」[pcms]
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*3263|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「当方からの心尽くしでございますので」[pcms]
*3264|
[fc]
どうやら料金には入らない、純然たる、[r]
オーナーのサービスらしい。[pcms]
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[fc]
これだけの人間の食事ともなれば、[r]
それなりの金額になりそうなものなのに。[pcms]
*3266|
[fc]
どうやら、越智さんはオーナーに愛されているみたいだった。[pcms]
*3267|
[fc]
[vo_mob s="kojima0006"]
[ns]小嶋[nse]
「もう、なんとお礼を言えばいいのか……」[pcms]
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*3268|
[fc]
[vo_aka s="akari0090"]
[ns]茜梨[nse]
「何から何まで、本当に有り難うございます。[r]
 稼津央お兄様」[pcms]
*3269|
[fc]
オーナーはそんな越智さんの肩を叩いて[r]
微笑んだだけだった。[pcms]
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*3270|
[fc]
言葉にすると、相手を恐縮させてしまうと考えたんだろう。[pcms]
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*3271|
[fc]
[ns]宗一郎[nse]
「中々、できる叔父さんのようだな」[pcms]
*3272|
[fc]
[ns]誠[nse]
「トップに立つ大人だからな、僕たちとは次元が違うよ」[pcms]
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*3273|
[fc]
この人数の料理が、予めの用意もなく出せるはずがない。[pcms]
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[fc]
おそらく、越智さんから移動の行程や昼食に関して、[r]
話を聞いていたんだろう。[pcms]
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[fc]
それなら、ちょうど昼食の時間になると踏んで、[r]
用意をしていたに違いない。[pcms]
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[fc]
20分という時間は、主に配膳の時間なんだろう。[pcms]
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[fc]
こういう、気の利いたことが出来る大人になれればなぁ。[r]
素直にそう思ってしまう。[pcms]
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*3278|
[fc]
[ns]稼津央[nse]
「どうか滞在の間、我が家と思って当ホテルでの生活を[r]
 おくつろぎください」[pcms]
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*3279|
[fc]
オーナーはそこから一歩退くと、[r]
僕たちに道を空けるようにしてから一礼した。[pcms]
*3280|
[fc]
チアー部の女の子達から、[r]
ため息に似た小さな歓声が上がる。[pcms]
*3281|
[fc]
みんなオーナーの魅力に、はまってしまったみたいだった。[pcms]
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[fc]
本物の大人の男と接する機会がないだろうからな、[r]
さぞかし僕らが子供に見えることだろう。[pcms]
*3283|
[fc]
ちょっと悔しい。[pcms]
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[fc]
[vo_mob s="kojima0007"]
[ns]小嶋[nse]
「みんな、ちゃんとお礼を言うのよ?」[pcms]
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[fc]
部屋を案内するスタッフに導かれて、[r]
僕らは移動を始めた。[pcms]
*3286|
[fc]
オーナーの前を通る度に、みんながお礼を言って[r]
頭を下げていく。[pcms]
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*3287|
[fc]
[vo_aka s="akari0091"]
[ns]茜梨[nse]
「本当に有り難うございました」[pcms]
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*3288|
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[ns]稼津央[nse]
「後で、美沙緒姉さんにも連絡するといい。[r]
 会えるのを楽しみにしていたよ?」[pcms]
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*3289|
[fc]
僕はそんな話をしている越智さんとオーナーの前を[r]
通り過ぎていく。[pcms]
*3290|
[fc]
ちらっと振り返ると、僕らを見送るオーナーの元に、[r]
背の高い男が近づいてくるのが見えた。[pcms]
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*3291|
[fc]
がっしりとした体型で、この暑い中、[r]
黒ジャケットを羽織っている男だ。[pcms]
*3292|
[fc]
とてもじゃないが、ホテルのスタッフには見えない。[pcms]
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[fc]
そもそも、顔つきからして接客業向きとは思えない、[r]
風貌をしていた。[pcms]
*3294|
[fc]
オーナーのSPかなんかなのかな?[pcms]
*3295|
[fc]
大きなグループ企業という話だから、[r]
そういう人が周りにいるのかもしれない。[pcms]
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*3296|
[fc]
その男が何かをつぶやくと、[r]
オーナーは真剣な表情でそれを聞いていた。[pcms]
*3297|
[fc]
なにかあったんだろうか?[pcms]
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*3298|
[fc]
[vo_stk s="satuki0096"]
[ns]彩月[nse]
「中澤君、どうしたの?」[pcms]
*3299|
[fc]
[ns]誠[nse]
「あ、いや、特には……」[pcms]
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*3300|
[fc]
南先輩に促されてエレベーターに乗り込む。[pcms]
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;//#_ブラックアウト
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*3301|
[fc]
閉まるドアの向こう側で、黒服の男と一緒に歩いて行く[r]
オーナーの姿が見えた。[pcms]
*3302|
[fc]
なんとなく、不穏な雰囲気に感じられる。[pcms]
*3303|
[fc]
でも、僕のつまらない妄想は、[r]
エレベーターのドアが閉まることで終わりになってしまった。[pcms]
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