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2025-01-19 20:27:37 -06:00

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84月第2週。 若々しく鮮やかな新緑に芽吹く木々に、新しい季節に入ったことを実感する。 街行く人々の浮かれた足取りの軽さも頷けるというものだ。 9991000000
9一方、この執務室は仕事の特性上、閉鎖的な環境にある。 そうでなくてはチェーカも連れ込めない。 999115400000
10あれからは、この穴倉みたいな仕事場がとても良い職場に思えてきた。 999115400000
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12仕事中に妄想に耽ってばかりはいられない。 999115400000
13目下、辺境伯に領軍派遣を断られた王国は、東部国境警備連隊の投入を検討しているらしい。 999115400000
14東部国境警備連隊は文字通り東の開拓前線に沿って展開している王国軍の直轄部隊だ。 1115400000
15辺境伯領は、東に大河を挟んで無人の大森林地帯があるだけで、外敵はいない。 1115400000
16版図外縁に王国の威を示すため、というのは名目に過ぎない。 有体に言えば、辺境伯への重し、要するに反乱するなよ、ということだ。 1115400000
17ただ、その実力は辺境伯領の牧歌的環境にあっては甚だ心許ない。 戦力になると思うほうがどうかしているのが実態だ。 1115400000
18過去、数十年前のある時期。 東部開拓村で何の前触れもなく若い女が姿を消すという事件が頻発した。 今では開拓村の厳しい生活を嫌っての出奔だったのだろうというのが大方の見方だ。 2115400000
19しかし、当時は古くから伝わる人を攫う獣の伝承になぞらえて吹聴する者まで現れ、仕舞いに は怖ろしげな獣人の目撃談まで流布したものだった。 2115400000
20住民の間に広がる不安には事実の解明だけが唯一の処方箋となるのに、東部国境警備連隊はそ れさえも手をこまねくばかり。 2115400000
21連隊の状況はその頃と大して変わってはいない。 こんな辺境の治安維持さえままならないのに、戦争で役に立つとは思えない。 2115400000
22一方、辺境伯直轄の領軍は未だに反王国勢力のモグラ叩きをしているらしい。 999115400000
23辺境伯領の空気感として、王国は税や兵役を課してくるだけの存在、例えるなら「恩薄く面倒 事ばかり押し付けてくる迷惑な親戚」といった認識が強い。 999115400000
24その意味で反王国勢力とは、辺境伯領全体の集団的意識の産物で、その勃興が必然なら征討に 手を焼くのも当然なのかもしれない。 999115400000
25兵役といえば、王国に徴兵を検討する向きがあることも見逃せない。 999115400000
26徴兵で編成された王国直轄軍は領主への報償が不要な反面、戦費は王国持ちとなる。 そのため、経済的疲弊を嫌う王国は徴兵に乗り出すか迷っているらしい。 999115400000
27しかしながら、辺境伯領出身兵は厳しい環境に由来する精強さで知られ、そのために王国軍部 では辺境伯領での徴兵を望む意見も根強い。 999115400000
28いずれにせよ、西部戦線の状況は流動的でもあり、当面注視を要するだろう。 999115400000
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