kansen-3/Kansen3_patch/t40010.ks
2023-12-22 09:03:50 -06:00

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;//ブロックT40010『漣のバイオリン』
*T40010_TOP
;{SceneSet 漣のバイオリン}
;//---------------------------------------------------------------
;//・場所:LASER 5F&7F
;//・視点:主人公一人称
;//・登場人物:主人公・浩助・マルガリータ・漣・ジン・重吉
;//・時間帯:5日目(8月19日)夕方~
;//---------------------------------------------------------------
;//block:A001
;//★ここからT40020で流用します
;[sysbt_meswin]
*6710|
[fc]
[ns]航[nse]
「戻るか……」[pcms]
*6711|
[fc]
別にやりたいことも思いつかないし、部屋に戻ろう。[r]
漫画を読むか、ゲームでもするかな……。[pcms]
;//〆フェードアウト
[black_toplayer][trans_c cross time=1000][hide_chara_int]
;//〆アルカディア
[bg storage="BG020a"][trans_c cross time=500]
;[eval exp="f.l_map = 22"]
[ChrSetEx layer=5 chbase="ren_f1"][ChrSetXY layer=5 x=185 y=0][trans_c cross time=150]
*6712|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0023"]
[ns]漣[nse]
「あ……、お兄ちゃん!」[pcms]
*6713|
[fc]
エレベーターを降りたところで、[r]
ちょうど漣とはちあわせする形になった。[pcms]
*6714|
[fc]
見れば腕にバイオリンケースを抱えている。[pcms]
*6715|
[fc]
[ns]航[nse]
「漣。バイオリン、弾くの?」[pcms]
*6716|
[fc]
ボクの言葉に漣は嬉しそうに微笑む。[pcms]
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*6717|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0024"]
[ns]漣[nse]
「うん、昨日ちょこっと弾いたけど、[r]
 最近ちゃんと練習してないから……。[r]
 どこか、邪魔にならない場所、ないかなーって」[pcms]
*6718|
[fc]
[ns]航[nse]
「それならステージレストランがいいよ。[r]
 あそこなら音響もいいし、[r]
 ドームだと、みんながいるからね」[pcms]
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*6719|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0025"]
[ns]漣[nse]
「そっか……。うん、そうするね!」[pcms]
*6720|
[fc]
そういえば、漣のバイオリン演奏、[r]
このところちゃんと聴いていなかったな……。[r]
今年の頭にあった発表会が最後だったような気がする。[pcms]
*6721|
[fc]
もちろん学校で練習してるのは遠くからきこえていたけど[r]
弾いてる姿は見ていなかったし。[pcms]
*6722|
[fc]
[ns]航[nse]
「ボクも付き合うよ」[pcms]
*6723|
[fc]
たまには漣の生演奏を聴くのもいいかなっていう気がした。[pcms]
[black_toplayer][trans_c cross time=1000][hide_chara_int]
;//〆ステージレストラン
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;[eval exp="f.l_map = 24"]
*6724|
[fc]
ケースからそっと楽器を取り出した漣は、弓を張り、[r]
鎖骨の上に構えるとA線の開放弦を長く弾き鳴らして[r]
音を合わせ始めた。[pcms]
;//★ここまでの部分T40020で流用します。
*6725|
[fc]
[ns]航[nse]
「…………なあ、漣」[pcms]
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*6726|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0026"]
[ns]漣[nse]
「……なぁに、お兄ちゃん?」[pcms]
*6727|
[fc]
ペグを巻いて少し音を上げながら、漣は目だけをこちらに向ける。[pcms]
*6728|
[fc]
[ns]航[nse]
「どうして、留学やめちゃったんだ?」[pcms]
*6729|
[fc]
漣は若手のバイオリニストとしては国内では相当の注目株らしい。[r]
いくつもの名門学園から入学の誘いがたくさん来ていた。[pcms]
*6730|
[fc]
技術志向の強くなりがちな若手演奏家が多い中で、漣の演奏には[r]
豊かな音楽性があり、この才能を磨かないのはもったいないと、[r]
ある音大の教授が熱心に何度も海外留学の勧誘にきていた。[pcms]
*6731|
[fc]
ボクは音楽には詳しくないけれど、確かに漣の演奏は心地よい。[r]
これでもかと巧さを見せ付けるようなものでなく、[r]
聴いている者の心に寄り添ってくるような、優しい音楽だ。[pcms]
*6732|
[fc]
父さんも流石にそこまで周囲から期待されるなら、と、[r]
可愛い娘を手放して異国の地に送り込む覚悟を決めていた。[pcms]
*6733|
[fc]
だけど……漣は全ての誘いを断って[r]
ボクと同じ地元の神南学園への入学を希望したんだ……。[pcms]
*6734|
[fc]
[ns]航[nse]
「海外に行くのがいやだったとしても、国内があるし。[r]
 音楽の専攻できる学園とかで[r]
 腕を磨いたほうが良かったんじゃないのかな?」[pcms]
*6735|
[fc]
それにお母さんの遺志を継ぐつもりなら……と言いかけて、[r]
ボクは口をつぐむ。[pcms]
*6736|
[fc]
亡くなった漣の実のお母さんは、[r]
著名なバイオリニストだったらしい。[pcms]
*6737|
[fc]
父さんが彼女の番組を作ったのをきっかけに結婚し、[r]
漣が生まれたんだと聞いている。[pcms]
*6738|
[fc]
もし漣がお母さんと同じような演奏家になりたいのなら[r]
音楽のレベルが高い学校に入って、[r]
専門教育を受けたほうが良かったように思うけど……。[pcms]
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*6739|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0027"]
[ns]漣[nse]
「でもね、お兄ちゃん……。[r]
 いい音楽教育を受ければ、[r]
 いい音を出せるようになるとは限らないんだよ?」[pcms]
;//[ChrSetEx layer=5 chbase="ren_f3"][ChrSetXY layer=5 x=185 y=0][trans_c cross time=150]
*6740|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0028"]
[ns]漣[nse]
「いい演奏技術と、いい音楽とは、[r]
 似てるけど……全然違うものだから」[pcms]
*6741|
[fc]
最後にゆったりとした和音を奏でて調律を確かめながら[r]
漣は微かに笑みを浮かべる。[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="ren_f3"][ChrSetXY layer=5 x=185 y=0][trans_c cross time=150]
*6742|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0029"]
[ns]漣[nse]
「私がいい音を奏でられるのは、[r]
 レベルの高い演奏者と共演する時よりも、[r]
 大切なお友達や家族と一緒にいる時……」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="ren_f7"][ChrSetXY layer=5 x=185 y=0][trans_c cross time=150]
*6743|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0030"]
[ns]漣[nse]
「心から安らいで、信頼に包まれて過ごす時が、[r]
 一番、いい音楽を生み出せるの……」[pcms]
*6744|
[fc]
物柔らかに。だけどきっぱりと。漣は言い切る。[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="ren_f3"][ChrSetXY layer=5 x=185 y=0][trans_c cross time=150]
*6745|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0031"]
[ns]漣[nse]
「それにね、私……、[r]
 お父さんや、お兄ちゃんたちと、離れたくなかったんだ……」[pcms]
;//@ここだけ少し照れて
*6746|
[fc]
少しはにかんで頬を染めた漣は、楽器を構えなおした。[pcms]
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*6747|
[fc]
[vo_ren s="ren_T0032"]
[ns]漣[nse]
「それじゃ、練習、始めるね」[pcms]
*6748|
[fc]
[ns]航[nse]
「うん。久しぶりにゆっくり聞かせてもらうよ……」[pcms]
;//bgm停止
[fadeoutbgm time=500]
;//〆EV004
[evcg storage="EV007l"][trans_c cross time=300]
;//me001漣の弾くバイオリンの曲プロコフィエフ・バイオリンソナタニ短調の一部
;[se buf=0 storage="me001"]
;mm
[bgm storage="me001"]
*6749|
[fc]
漣の腕が上がり、弓が弦に触れる。[r]
やがて軽く身体を揺らし、漣は演奏を始めた。[pcms]
*6750|
[fc]
この曲は何度も聴いたことがある。[r]
漣が好んでいつも練習している曲だ。[pcms]
*6751|
[fc]
軽やかな音色に聴き入りながら、ボクは漣の声を反芻する。[pcms]
*6752|
[fc]
『お父さんや、お兄ちゃんたちと、離れたくなかったんだ……』[pcms]
*6753|
[fc]
この言葉が意味するところは明らかだ。[r]
漣が頑として留学や推薦入学を断り続けたのは、[r]
ボクたちの、ためだったんだ……。[pcms]
*6754|
[fc]
あの頃……。漣の進路について決めかねていた頃、[r]
ボクは東北感染災害で母さんを亡くした辛さから[r]
まだ完全には立ち直れないでいた。[pcms]
*6755|
[fc]
父さんも顔には出さないようにしてたけど、[r]
最初の妻を亡くし、ようやく見つけた愛する伴侶を喪い、[r]
相当な打撃を受けたことには間違いない。[pcms]
*6756|
[fc]
漣には、そんなだらしない我が家の男どもを放って[r]
自分だけが未来に向けて歩き出すことはできなかったんだ……。[pcms]
*6757|
[fc]
暖かな家族の空気を作り、ボクらのために家事をこなし、[r]
何も言わないままにボクらの傍に寄り添って[r]
傷が癒されるのをじっと待っていてくれたんだ……。[pcms]
*6758|
[fc]
胸が熱くなった。[r]
涙があふれそうになって、慌ててまばたきで誤魔化す。[pcms]
*6759|
[fc]
漣のおかげでボクたちは、再び家族としてやり直せた。[r]
その漣が、自分には何よりも家族が大事だと言ってくれてる。[pcms]
*6760|
[fc]
漣……。ありがとう……。[pcms]
[evcg storage="EV007n"][trans_c cross time=300]
*6761|
[fc]
気がつくと、レストランの入り口に壬さんと重吉が立っていた。[r]
キッチンのあたりには瑞樹とコースケの姿もある。[pcms]
*6762|
[fc]
誰も喋ろうとはしない。[r]
みんな無言のまま漣の演奏を聴いている。[r]
穏やかな時間がゆったりと流れている……。[pcms]
*6763|
[fc]
こんな優しい時間がずっと続いてくれたらいいのに……。[r]
ボクはそっと心の中で願ってしまう……。[pcms]
;//バイオリンの音、ストップ
;//se停止
;[stopse buf=0]
[stopbgm]
*6764|
[fc]
[vo_yuh s="yuho_T0123"]
[ns]悠帆[nse]
「みっ、みんな! て、テレビテレビ!![r]
 大変だよーーっ!!」[pcms]
;//bgm18・disguest
[bgm storage="BGM18"]
;//〆ステージレストラン
[bg storage="BG019b"][trans_c cross time=500]
;[eval exp="f.l_map = 24"]
*6765|
[fc]
突然、悠帆がレストランに飛び込んできた。[pcms]
*6766|
[fc]
[ns]航[nse]
「悠帆? どうしたの?」[pcms]
*6767|
[fc]
紙のように白く、血の気の引いた悠帆の顔に気付いて[r]
不吉な予感がよぎった……。[pcms]
;//→T60030
[jump storage="T60030.ks" target=*T60030_TOP]