kansen-3/Kansen3_patch/zapd010.ks
2023-12-22 09:03:50 -06:00

611 lines
12 KiB
Text
Raw Permalink Blame History

This file contains ambiguous Unicode characters

This file contains Unicode characters that might be confused with other characters. If you think that this is intentional, you can safely ignore this warning. Use the Escape button to reveal them.

;//●ジン ZAP
;//ブロック『マルガリータzap』
;//@konya 11/13 BG貼付
*zapD010_TOP
;{SceneSet 壬zap}
;//--------------------------------------------------------------------
;//背景:ででっぽうバックヤード
;//・視点:ジン一人称
;//・場所:セレスタワー
;//・時間:3日目(8/17日)夜。
;//--------------------------------------------------------------------
;//block:A001
;//bgm09 fakestar
[bgm storage="BGM09"]
;//〆BG:セレスタワー ホテル(カットインBG?)
;//@konya セレスタワー 客室内
[bg storage="BG030"][trans_c cross time=500]
;[eval exp="f.l_map = 9"]
[sysbt_meswin]
*3497|
[fc]
[ns]手下A[nse]
「くそっ……繋がらねぇ……。やっぱ駄目だわこのクソ携帯!」[pcms]
*3498|
[fc]
[ns]手下B[nse]
「うっせーよ……大人しくゲームでもしてろよ……」[pcms]
*3499|
[fc]
街中がこんなになってしまって、イラ付いているのか、[r]
手下共が動揺している。[pcms]
*3500|
[fc]
しかし俺にとってはむしろ、騒がしい雑踏がなくなって、[r]
むしろ気持ちが落ち着いていた。[pcms]
*3501|
[fc]
チッ……。[r]
全く騒がしい奴らだ……。[pcms]
*3502|
[fc]
[ns]壬[nse]
「せっかくの夜景が台無しだな……バカ共のせいで」[pcms]
;//@konya 渋谷空撮
[bg storage="BG200c"][trans_c cross time=500]
;[eval exp="f.l_map = 5"]
*3503|
[fc]
眼下に広がる渋谷の夜景は、いつものネオンの光に混ざって、[r]
何かが燃え上がる炎が見える。[pcms]
*3504|
[fc]
一体どうなっちまったんだ、この街は。[pcms]
;//@konya セレスタワー 客室内
[bg storage="BG030"][trans_c cross time=500]
;[eval exp="f.l_map = 9"]
*3505|
[fc]
[ns]手下C[nse]
「ハラ減ってんなら、食いモンいくらでもあるぞ。[r]
 滅多に食えねぇモンばっかだから、目移りしちまう」[pcms]
*3506|
[fc]
高級そうな、と言うより、本当に金持ちしか入れないこの場に、[r]
全く似つかわしくない男達が声を上げている。[pcms]
*3507|
[fc]
聞こえてくるのは、頭の悪いクソ共と、セックスに溺れてる[r]
クズ共の声だけ。[pcms]
*3508|
[fc]
[ns]壬[nse]
「フン……ホントに胸くそが悪い」[pcms]
*3509|
[fc]
騒ぎが起きた後、[ruby text="ア イ ツ ら"][ch text="感染者"]が、このビルにも、[r]
何人もあふれ出した。[pcms]
*3510|
[fc]
元々俺の手下だったヤツラも何人か混ざっていた。[pcms]
*3511|
[fc]
ヤツラの始末は多少手間取ったものの、[r]
今は比較的安全な状態を保てている。[pcms]
*3512|
[fc]
ヤツラを始末する時、俺の手下と一緒に、[r]
何の関係もない『一般人』を盾にして、[r]
この場を確保することができた。[pcms]
*3513|
[fc]
あの一般人達のおかげで、今俺もこうしていられる。[r]
だが、感謝はしない。[pcms]
*3514|
[fc]
[ns]壬[nse]
「気の毒だが、ツイてないヤツが死んだだけの事か」[pcms]
*3515|
[fc]
俺はツイている。[pcms]
*3516|
[fc]
最上階にあるレストランの食料、最下層にあるコンビニの食料品、[r]
全てをここの階に運んである。[pcms]
*3517|
[fc]
とりあえず、食い物も飲み物も、女も。[r]
ここには全てある。[pcms]
*3518|
[fc]
この場から出ない限りは、しばらくは安全に過ごせるだろう。[pcms]
*3519|
[fc]
[ns]男A[nse]
「暇過ぎる! 外出て暴れてぇよ」[pcms]
*3520|
[fc]
[ns]壬[nse]
「…………」[pcms]
*3521|
[fc]
バカは自分の置かれている状況に気が付いていない。[r]
今外に出て、生き残る自信は、俺にすらないと言うのに。[pcms]
*3522|
[fc]
客観的に物事を見る事ができないヤツから、死んでいく。[r]
利用されたり、自分から罠に填ったり。[pcms]
*3523|
[fc]
[ns]壬[nse]
「ここから出る分には自由だ。但し、またここに[r]
 入れてもらえると思うな。あとな……出口は非常口だけだ。[r]
 他は電源を落としてあるから、動かないぞ」[pcms]
*3524|
[fc]
バカの戯れ言をただ聞いている事ができなくなった俺は、[r]
諭すでもなく、ただ独り言をつぶやいた。[pcms]
*3525|
[fc]
[ns]手下A[nse]
「……すんません、壬さん……」[pcms]
*3526|
[fc]
それっきり、他のバカ共も静かになった。[r]
セックスに溺れている声だけは、[r]
相変わらず漏れ聞こえて来るが。[pcms]
*3527|
[fc]
[ns]壬[nse]
「…………」[pcms]
*3528|
[fc]
クソ共が。[r]
せっかくこんな良い所にいられるってのに。[r]
いつでもできるような事ばかりしやがって。[pcms]
*3529|
[fc]
しかし、今の俺達と、外にいる感染者の差は何だ?[pcms]
*3530|
[fc]
中でメシを喰うかセックスするしかない状態の俺達と、[r]
外でメシ食うかレイプするしか考えていない、ヤツラとの差は。[pcms]
*3531|
[fc]
窓ガラスに重吉の姿が映り込み、俺に近づいてくるのが見えた。[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b3"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3532|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「アニキ! 俺の考え、聞いてくれるか!?」[pcms]
*3533|
[fc]
俺も重吉も、ガラスに映る自分達の姿を見つめたままの状態で、[r]
話始める。[pcms]
*3534|
[fc]
[ns]壬[nse]
「くだらねぇ事なら、あのバカ共に言え」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b2"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3535|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「聞く前からそんな事言わないでくれよ……。[r]
 俺が言いたいのは……アイツら……。太宰さん達を[r]
 消しちまおうって事ですよ」[pcms]
*3536|
[fc]
[ns]壬[nse]
「なんだと」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b3"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3537|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「世の中こんなになっちまったら、ヤッたモン勝ちでしょう?[r]
 これからは『力』が正義になるんですよ![r]
 兵隊の数は向こうが上ですけど……」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b3"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3538|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「今なら安心しきってるし、女食ってる時なら尚更だ。ヤるんなら[r]
 今しかないぜアニキ! 俺らだって、もっと良いモン食ったり、[r]
 女抱いたりさ! アニキだって同じ考えだろ?」[pcms]
*3539|
[fc]
[ns]壬[nse]
「…………シゲ。[r]
 お前、漫画しか読んでねぇだろ」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b2"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3540|
[fc]
バカとクソばっかりか。俺の周りは。[r]
……俺もバカとクソのどっちかなんだろうけどな。[pcms]
*3541|
[fc]
[ns]壬[nse]
「力が正義? そうなったら俺ら廃業だぞ。[r]
 俺らの仕事が何だったか、思い出せ。[r]
 ただ暴れるのは、そこらのチンピラに任せておけ」[pcms]
*3542|
[fc]
[ns]壬[nse]
「俺らの仕事は、極道だろ?[r]
 表があって初めて成り立つ、裏の仕事だ。[r]
 秩序も何もなくなったら、俺らの出番なくなっちまうよ」[pcms]
*3543|
[fc]
[ns]壬[nse]
「ルールは守るが、その隙間を縫って仕事する。[r]
 偉いモンには表向き従うが、裏から操る。[r]
 お前の言うような世界になったら、俺は何をすればいい?」[pcms]
*3544|
[fc]
[ns]壬[nse]
「色んなモンの裏表を渡り歩いて、初めて極道だ。[r]
 人間の良い所も悪いところも、全部飲み込んだヤツらだけに[r]
 できるモンだろ、俺らの仕事ってのは」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b2"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3545|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「……ウゥ」[pcms]
*3546|
[fc]
[ns]壬[nse]
「第一、こんな騒ぎが放っとかれる訳がない。[r]
 国だってバカじゃねえ。何かしら手を下すだろうしな。[r]
 それに、最悪国連やら合衆国が出てきて、何とかするだろ」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b3"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3547|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「で、でもアニキ……もし日本中……いや、世界中がこんな風に[r]
 なってたら? 映画で見た事ある……」[pcms]
*3548|
[fc]
[ns]壬[nse]
「映画なんかと一緒にするなって言ってるだろ。[r]
 だが、お前の言うとおり世界中がこんなんなっててもな、[r]
 生き残ってる奴らで何とかするのさ」[pcms]
*3549|
[fc]
[ns]壬[nse]
「わかるか? 一番最悪な状況を乗り切りさえすれば……。[r]
 そのときまで俺らが生き残ってさえいれば良いんだ。[r]
 今はそのことだけを考えろ」[pcms]
*3550|
[fc]
シゲは俺の言う事にいちいちうなずいているが、[r]
きっと、何も理解できていないだろう。[pcms]
*3551|
[fc]
俺だってこの先、この街が、いや、この世界がどうなるかなんて、[r]
まるで判っちゃいないんだから。[pcms]
*3552|
[fc]
[ns]壬[nse]
「[ruby text="ア イ ツ ら"][ch text="感染者"]は不死身じゃない。ほっときゃアイツらは[r]
 自滅する。それに、バカな奴らも一緒にくたばるだろ。[r]
 生き残る事ができるのは、冷静に判断できた奴らだけ」[pcms]
*3553|
[fc]
[ns]壬[nse]
「その中に俺らも入ってれば良いんだが……。[r]
 まあ、このクソみたいな状況を乗り切って、そのときに国が[r]
 滅茶苦茶なままだったら、何ができるか」[pcms]
*3554|
[fc]
[ns]壬[nse]
「要は、そのときまで耐えて、それ以降……復興した後、[r]
 上手く立ち回れるかどうか、だ。今焦ってチンケなモン[r]
 手に入れるより、よっぽどバックがデカイぞ」[pcms]
*3555|
[fc]
[ns]壬[nse]
「それにな、戦後すぐの先代達は……好き勝手暴れるんじゃなくて[r]
 できるだけ自分らの良いように作り直すのに努力したから、[r]
 成り上がれたんだ。みんながみんなとは言わねぇがな」[pcms]
*3556|
[fc]
[ns]壬[nse]
「今のこの状況を見ろ。このままアイツらが増えていって、[r]
 バカが暴れて、街がブッ壊れていったら戦後と大差ないだろ。[r]
 もう少し待てば、俺らの動きやすい状態ができる」[pcms]
*3557|
[fc]
[ns]壬[nse]
「その時が、本当のチャンスなんだ。[r]
 上手いことやれれば、下手すりゃ、全部自分の思う通りになる。[r]
 今は、そうなった時に何ができるか考えろ。それが一番だ」[pcms]
*3558|
[fc]
[ns]壬[nse]
「それに、本当にどうにもならなくなったら……。[r]
 神様か宇宙人が出てきて何とかするだろ。[r]
 お前の大好きな漫画や映画ならな」[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b2"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3559|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「……わ、わかった。[r]
 我慢しますよ……」[pcms]
[chara_int_ layer=5][trans_c cross time=150]
*3560|
[fc]
理解したのか、それとも最後の皮肉が効いたのか、シゲは[r]
力なく俺から離れていった。[pcms]
*3561|
[fc]
しかし、正直な所、俺も全て放っぽって逃げ出したい気分だ。[r]
シゲの言うとおり、太宰達を皆殺しにしたところで、[r]
もっと上の別の奴らがいる。[pcms]
*3562|
[fc]
そもそも、奴らを殺すなんて事は、[r]
自分の言った事と矛盾が起きる上に、[r]
バカどもに手本を見せる事になる。[pcms]
*3563|
[fc]
俺が奴らを消したとして……。[r]
次はシゲ辺りが俺を消そうとするだろう。[pcms]
*3564|
[fc]
[ns]壬[nse]
「まあ、襲ってくるヤツは返り討ちにしてやるがな」[pcms]
*3565|
[fc]
死ぬのは怖くない。[r]
ただ、この騒ぎが収まった後の旨みを味わえないのは、[r]
許せない。[pcms]
*3566|
[fc]
それまで、俺は生き延びる。[pcms]
;//SE・携帯メールの着信
*3567|
[fc]
[ns]壬[nse]
「……」[pcms]
*3568|
[fc]
ポケットの中の携帯が震える。[r]
バカ共の事や、この先の事を考えるのが面倒になってきた俺は、[r]
気分転換にと、携帯を取り出した。[pcms]
*3569|
[fc]
[ns]壬[nse]
「メールは届くのか……」[pcms]
*3570|
[fc]
大混乱が起きているにも関わらず、メールの着信があった。[r]
その事は、俺も少しだけ驚いた。[pcms]
*3571|
[fc]
『件名:たすけて』[pcms]
*3572|
[fc]
『LASERの満喫のシャワーしつに隠れてる。[r]
 たすけて!』[pcms]
;//@意図的な誤字です
*3573|
[fc]
[ns]壬[nse]
「フン……」[pcms]
*3574|
[fc]
姿がなく、すでに“アイツら”の餌食になっちまったと[r]
思っていた瑞樹からのメールだった。[pcms]
*3575|
[fc]
送信してからどの位時間が経っているのか判らないが……。[pcms]
*3576|
[fc]
[ns]壬[nse]
「…………」[pcms]
*3577|
[fc]
ルールか。[pcms]
*3578|
[fc]
俺は。[pcms]
*3579|
[fc]
ルールにはまってる事。[r]
変えられないこと。[pcms]
*3580|
[fc]
何処にいっても、何かしらのルールに収められ、[r]
生きて行かなきゃならない。[pcms]
*3581|
[fc]
枠に嵌められなければ生きていけないと言うのなら、[r]
仕方ない。[pcms]
*3582|
[fc]
俺は、一番マシに見えた『極道』を選んだ。[pcms]
*3583|
[fc]
[ns]壬[nse]
「…………」[pcms]
*3584|
[fc]
警戒と、[ruby text="ア イ ツ ら"][ch text="感染者"]の排除の為に渡された銃を握る。[pcms]
*3585|
[fc]
[ns]壬[nse]
「クソが……」[pcms]
*3585a|
[fc]
太宰は、俺の事舐めきってやがる。[pcms]
*3586|
[fc]
俺が無茶しないだろうと思っている。[r]
その通りだけどな。[pcms]
*3587|
[fc]
だが……いい加減ハラが立つ。[r]
シゲの言う事も、たまには役に立つな。[pcms]
*3588|
[fc]
散々俺に言われ、しょげているのか、[r]
シゲは椅子に座ったままだった。[pcms]
*3589|
[fc]
[ns]壬[nse]
「一人くらいなら、良いか……」[pcms]
*3590|
[fc]
ここにはバカしかいない。[r]
沢山のバカを引き連れて、バカの王様気取るのはゴメンだ。[pcms]
*3591|
[fc]
俺に少しでも考える余地をくれたシゲだけ。[r]
コイツだけ、連れて行くか。[pcms]
*3592|
[fc]
[ns]壬[nse]
「シゲ……俺の言う事を黙って聞け。答えなくていい。[r]
 俺はここから出る。付いて来たければ、付いてこい」[pcms]
*3593|
[fc]
俺の言葉に驚いたシゲは、目を丸くして、身動きもせず、[r]
じっとこちらを見つめている。[pcms]
*3594|
[fc]
数秒の間、そのまま固まっていたシゲは、[r]
勢いよく首を縦に振った。[pcms]
[ChrSetEx layer=5 chbase="shige_b4"][ChrSetXY layer=5 x=161 y=0][trans_c cross time=150]
*3595|
[fc]
[ns]重吉[nse]
「だけどよ、アニキ……。[r]
 どうやって?」[pcms]
*3596|
[fc]
[ns]壬[nse]
「口を開くな。黙って付いてこい」[pcms]
*3597|
[fc]
Qビルの地下にある“アレ”を使おう。[r]
ここからも行けるはずだ。[pcms]
*3598|
[fc]
未だにいぶかしげな顔をしているシゲを引き連れ、[r]
俺はこの部屋を後にした。[pcms]
;[zapend_random]
[zapfade]
;//→ブロック20001へジャンプ
[jump storage="20001.ks" target=*20001_TOP]